蝶を規範とした
小型はばたきロボット

蝶のはばたき飛行や滑空飛行を模倣したロボットを開発することにより災害現場においての観測ロボットとして活用することを目的としています. 

蝶型ロボットの実現のために, 「実機開発」「実際の蝶の飛翔運動解析」「シミュレーション」の3つを行うことで実際の蝶の飛翔を基に研究しています.

実際の蝶の飛翔運動解析

運動解析は行動パターンや動きの仕組みを理解するために行われてます.飛行パターンや動きの特性を分析することで,獲得したデータから行動や環境との相互作用に関する情報を得ることが出来ます.

高速度カメラで撮影した実際の蝶の飛翔動画

はばたき

3次元光速度カメラシステムによるはばたきの胸部中心軌跡の追従

  


テイクオフ時の様子

数値流体シミュレーション

数値シミュレーションは,実験や運動解析,観察だけでは理解が難しい複雑な現象を解明するために行います.数値シミュレーションの利点として,実機を製作するコストや時間を削減可能で,多様な条件や異なるパターンの影響の調査や,流れ場等の実機実験では簡単に見ることが出来ない可視化を容易に行うことが出来ます.

独自開発の質点系モデルによる数値計算

テイクオフの例

OpenFOAMによる構造と流体の連成解析(FSI)
FEMによる構造と流体の連成解析(3次元)

ばたき周波数: 9 Hz, 質量: 600 (腹部 240) mg, 開長: 55 mm
はばたき角: 80 to -70 deg
腹振り角: -16 to 32 deg
リードラグ角: 6 to 14 deg

ばたき周波数: 10Hz, 質量: 484 (腹部 229 mg, 開長: 55 mm
はばたき角: 80 to -60 deg
腹振り角: -20 to 20 deg
リードラグ運動:なし 

実機開発

上記の3つのことを行って実際の蝶の飛翔を再現するロボットを開発しています. 実機によるはばたきロボットの運動特性の調査・新機構の検証・観測が困難な事象についての模擬実験を行っています.

ゴムを動力源としたモデル
  • 弾性体リンクにより,複雑な翅の運動を再現
  • 翅運動の変化による旋回の実現


モータを動力源としたモデル

・継続的な飛翔のためにモータとバッテリを搭載

・受動的に翅運動を再現する機構を実装